Sony a7SⅢが発売(2020/10/9)以来、星空を動画で撮影し続けています。
写真での星空撮影はよくありますが、まだまだ動画で撮影された星空は少ないかと思います。
・星空を動画で撮影するとどんな感じなのか
・どんな機材や設定で撮影しているのか
この2点をこの記事にまとめます。
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Sony a7SⅢで撮影したリアルタイム星空動画ってどんなの?
星空の動画というとタイムラプス動画を想像される方も居ると思いますが、そうではなく、リアルタイムの星空動画です。(星空リアルタイム動画?星景動画?なんて呼ぶのが正しいんでしょうね?)
まずは見てもらった方が早いと思うので、こちらが撮影した動画です。
こちらは夏の天の川を撮影したもの。動画でもばっちり、天の川が映っています。
月明かりのある夜は、設定に余裕をもってよりノイズレスに撮影出来ます。
回る風車と星空も撮影してみました。
また、流れ星こそ、動画で撮影すると面白いかなと思います。2023年のペルセウス座流星群を動画撮影した映像です。何度も打ち寄せる波と星空が素晴らしいです。
流れ星の動画撮影設定や機材等については以下の記事にまとめました!
参考記事:流星群、流れ星の動画での撮影方法、機材やカメラ設定(SONY α7SIII)
肉眼で見る星空や夜の景色は、写真とは違う綺麗さ、感動があると思います。
動画では、そこで見ていた様なリアルな雰囲気を撮影出来ると思います。
星空を見上げる事、星の瞬き。または波音、風の音。流れる霧、灯台の光、回る風車、流れ星など・・・写真では表せない動くモノや音を、星空と共に表すのも星空の動画ならではだと思います。
星空動画に使用している機材
現在、星空動画に使っている主な機材を簡単に紹介します。
カメラ: SONY a7SⅢ
レンズ: SIGMA 14mm F1.4 DG DN Art、SIGMA 20mm F1.4 DG DN Art、SIGMA 85mm F1.4 DG DN Art、SONY FE50mm F1.4 GM
マイク: SONY ECM-B1M
電動スタビライザー(ジンバル): Gudsen MOZA AirCross 2
カメラについて
SONY a7SⅢは高感度に強く、動画でもそこそこに星空を撮影出来ます。ただ、真っ暗な星空だとノイズも結構出ます。
ひとつ前の型のSONY α7SIIも使用していますが、映像のクオリティはIIIの方が圧倒的に高い印象です。
参考記事:星空動画にSONY α7SIIを購入。α7SIIIと比較。(ILCE-7SM2)
最近はSONY ZV-E1というSONY α7SIIIと同じセンサーを搭載し同等の映像が撮影出来るカメラも登場しました。値段も抑えられ良いですが、熱が籠りやすく長時間の撮影が苦手という欠点もあるようです。
レンズについて
星空を動画撮影するなら、最低限F1.4以上の明るさが必要と考えます(F1.4でも暗いです)。F1.8だとかなり厳しい結果になります。また、明るいだけでなく、コマ収差が抑えられた(星が点に写るレンズ)が必要です。
SIGMA 14mm F1.4 DG DN Artは超広角でF1.4という素晴らしいレンズ。しかし、重さがネックなるため、電動スタビライザーを使用したい時、もう少し画角を狭く撮影したい時は小型軽量なSIGMA 20mm F1.4 DG DN Artを使用する、という使い分けをしています。
他にも、F1.4より明るいF0.95のLAOWA Argus FF II 35mm F0.95も良さそうです。
ジンバル、マイクについて
電動スタビライザー(ジンバル)、歩きながら星空を撮影したい時は必須の道具です。
参考記事:初心者でも手振れ軽減!(動画あり)MOZA AirCross2の良い&気になるポイント
カメラ内蔵マイクでも十分録音出来ます。しかし、場所によっては人の話し声や騒音等、色んな音が入ってしまう場合があるため、指向性が選べるSONY ECM-B1Mを使用しています。指向性だけでなく、音質も良い感じなので、録音したい場合は必須のアイテムとなっています。軽量なのでジンバルでも使えるし、ポン付けで簡単に使えるので便利です。
この他にも色々なマイクが純正でもあるので、目的に合ったものを選定して下さい。
★使用している機材は、使用感等を記事にしています。以下リンクにまとめています。
参考記事:SONY a7SⅢで星空撮影して思うこと(星景写真、動画)
参考記事:SIGMA 14mm F1.4 DG DN Artを星空撮影に使用してみた感想(レビュー)
参考記事:SIGMA 20mm F1.4 DG DN Artを星空撮影に使っていて思うこと(レビュー)
参考記事:SONY FE50mm F1.4 GMを星空撮影に使っていて思う事(レビュー/SEL50F14GM)
参考記事:SIGMA 85mm F1.4 DG DN Artを星空撮影で使用してみた(レビュー)
参考記事:初心者でも手振れ軽減!(動画あり)MOZA AirCross2の良い&気になるポイント
参考記事:ショットガンマイクロホン SONY ECM-B1Mを使用した感想(レビュー、ATT、FILTERの比較など)
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星空の動画撮影のカメラ設定
まだまだ試行錯誤ではありますが、私が行っている星空の動画撮影時のカメラ設定を書いてみます。
よく使う設定範囲はISO80000~409600、F1.4、SS1/4~1/25sec です。
真っ暗で天の川もよく見える場所では、ISO256000以上、F1.4、SS1/25あたりで撮影する事が多いです。(月明かりがある時はISO80000程度まで下げます)
SONY a7SⅢはSS1/4secでも動画撮影出来るので、天の川をガッツリ撮影したり、暗すぎる景色を撮影する場合はSS1/4secを使うこともあります。かなりコマ落ちした映像にはなります。
※SS1/4より遅く撮影したい場合はクイックモーションでの撮影を行う時もあります。
参考記事:クイックモーションで撮影する星空と天の川の動画(SONY a7SⅢ/S&Q)
編集ソフト
設定次第では撮って出しでもそこそこ使えそうな映像になりますが、自分が作りたい映像に近づける為、S-LOG3で撮影しDaVinciResolve Studioでカラーグレーディングを行っています(DaVinciResolveは無償版もあるのでお試しでどうぞ。有償版はノイズリダクションが使えたり、4K書き出し等・・・)
また、ISO80000以上だと結構ノイズが出るので、必要ならば編集ソフトでノイズ処理を行います。DaVinciResolveの有償版でもノイズ処理は可能ですが、更に強力なNeat Videoというソフトを使用してノイズ除去しています。有償ですが、価値のあるソフトです。
参考記事:星空動画のノイズ処理にNeat Video v5 Proを試してみた(レビュー)
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今後も星空動画を撮影していきます
というわけで、今後もSony a7SⅢにて星空動画を撮影していこうと思います。撮影した動画はこのブログでも紹介をしていく事になるとは思いますが、主にYouTubeに掲載していきますので、是非、YouTubeチャンネル「星を撮りに行く」も覗いて見てください。高評価、チャンネル登録いただけると、大変励みになります。
はじめまして、星空動画が素晴らしく美しくて圧倒されました!
私も只今星空動画に挑戦中なのですが撮り方など丁寧に紹介されており
大変参考になります。こんなに教えちゃっていいのって思いました笑
私が撮影するときはPPを入れていないのですが、天の川の色まで出ません。
やはりグレーディングしなければ天の川の色までは出すことはできないのでしょうか・・・
それとも撮影場所の違いか・・・
機械音痴なところがありまして後処理はできるだけしないように
撮影していましたが、勉強が大事なのですね。
これからも更新を楽しみにしております。
応援しております。
たぬぱんさん
はじめまして!ご覧頂き有難うございます!
まだまだ手探りで、試行錯誤の連続ですが参考になれば幸いです。
天の川の色に関しては、撮影場所の影響も大きいと思います。
(標高の高い場所や、天の川が高く立ち昇る時間帯など・・・海辺や天の川が低い位置にある時も、色はあまり出ない印象です・・・これは写真でも同じですね)
また、最近の大台ケ原等の動画に関してはPP8(S-LOG3)で撮影、編集時に彩度100(MAX)にし、自然になるよう全体的に色味を調整しています。動画に関しては、高ISO撮影の影響か天の川や星はかなり彩度を上げないと色が出ないです。
私も始めはカメラの設定だけで撮影していました。冬の星空はうまくハマればそのままで満足できる程の映像になるのですが、夏の天の川は少し難しい印象を受けました。
ということで、あとで編集できるLog撮影を行っています。(それと、カメラの撮って出しだと黒いツブツブしたノイズが目立ちますが、Log撮影→編集だとあまり目立たない印象です)
なかなか、Logの編集はとっつきにくいですが、慣れるとなかなか面白いですよ。
私が使ってるDaVinciResolveは無料版もあるので、是非お試し下さい。
(有料版はノイズ処理なども出来るようになります)
Pythさんは神様なのですか?!
丁寧なお返事ありがとうございます。
大台ケ原の動画は天の川は勿論ですが星の色まで出ていて本当に美しいですね。
透明感があるというか・・・
紀伊日ノ御埼灯台もめちゃくちゃ素敵です。
私は関東で海に行くことが多いので天の川の色までは難しいというのもあるのかも
しれません・・・
しかし、Logで撮るとノイズも目立たないとは!良いことばかりですね。
でまずは試してみなくては!
次回は早速ログに挑戦してみます!!
たぬぱんさん
いえいえ、私もまだ動画に関しては素人で手探り状態です汗
動画編集ソフトも色々と複雑なことが出来そうですが、なかなか理解が追い付かず。
ちょっとずつ勉強していきたいと思っています。
是非、Log撮影をお試し下さい!
Pythさま
初めまして。大澤と申します。
星空の動画撮影を始めましたがスチル写真とは違い、思うように撮れずに悩んでいました。
Pythさまのサイトに辿り着き、目から鱗です!
とてもためになりました。
ありがとうございます。
ISO設定で128000~320000とは驚きです!
やはりスチル写真とは違い、このくらいまで上げないと動画では像が得られないのですね。
YouTubeもチャンネル登録させていただきました。
今後も参考させていただきます。
大澤さま
はじめまして、管理人のPythです。
星空の動画に関して、参考にしていただき嬉しいです。YouTubeもご登録有難うございます!
スチルとは違い、まだまだ情報の少ない分野ですので何かと手探りな状態です。
相変わらず星空の動画ばかり掲載していくと思いますが、また見て頂けると嬉しいです。
Pythさん、はじめまして。
YouTubeにアップされている星空動画に刺激を受け、
遅まきながらα7SⅢを手にすることになりました。
これまではCanonを使っていましたので、
レンズも何もかも一から揃えなければならず・・・ですが、
新しい領域にチャレンジしようと準備をしているところです。
先日来、Pythさんの過去記事を参考に暗い空のもとで
テスト撮影に出かけているのですがノイズが酷く
Pythさんの映像に改めて感心させられました。
プロファイルはご進言の通り、PP8で撮影して、
ダビンチリゾルヴでカラコレ、カラグレを行っているのですが、
なかなか星の色はもちろん、ノイズの海の中に夜空の色が
うまく再現できずにいます。
今後はノイズ除去のソフトも充実させたいところですが、
限られた予算の中では時間がかかりますので、
それまでは撮影の方で試行錯誤を行いたいと考えています。
「たぬぱん」さんが仰っているように、
Pythさんは惜しげもなくご自身が培われた
星空動画に関する情報を発信してくださっていることを
心から嬉しく思っています。
できれば今後、他のYouTuberさんたちがされている
Lutなどの販売をしていただければ是非購入させていただきます。
お見受けするところ、撮影地は奈良県が中心のようで、
私もこれまでほぼ同じところで星夜写真を撮ってきました。
以前、ことばを交わした方のような気もしないではありませんが、
今後とも素晴らしい星空動画をご紹介くださいます。
やっさんさん、はじめまして。
Youtubeもご覧いただき有難うございます。
こうやってメッセージを頂ける事もとても嬉しいです。
私もCanonでカメラ、レンズ等を一通り揃えた所からSONYへの移行でしたので、色々と大変でした。
今でもPP8からDvinciでのカラーグレーディングを行っています。
ブログか何かで手法を纏めようとした事もあったのですが
定量的な表現が難しい部分もあったため、諦めた経緯があります(汗)
Lutも含め、また検討してみますね。
ノイズは結構出ますよね。
YouTube等に掲載している動画は基本的にNeatVideoというノイズ処理ソフトを使用しています。
これがとても優秀で、おすすめです。
また、Davinci Resolve Studioについているノイズ処理も優秀なので、月が明るい夜等、ノイズがそこまで出ていない場合はこちらを使う時もあります。
撮影は奈良中心で、同じような場所で撮影しているので、
もしかしたらどこかでお話したこともあるかも知れないですね。
これからも相変わらず奈良県中心で動画を撮影していくと思いますので、
ご覧いただけると幸いです。
[…] 参考記事:星空動画、始めました(Sony a7SⅢ)使用機材など【星景動画】 […]
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