綺麗な星空で天の川を見る方法(月の出入、天気の調べ方、場所の選び方等)

綺麗な星空で天の川を見る方法(月の出入、天気の調べ方、場所の選び方等)

綺麗な星空で天の川を見る方法を記載していきます。

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天の川って何?

そもそも夜空に見える天の川って何なのでしょう?答えは無数の星の集まり・・・天の川銀河です。

銀河というのは恒星や星雲が集まった天体です。私たちが住んでいる地球も天の川銀河の一部です。
天の川銀河は1,000億の恒星(太陽の様な、自ら発光する星)が台風の雲の様に渦巻状に集まっています。地球は天の川銀河の端っこの方にあり、地球から天の川銀河の見ると無数の星々が光の帯状に見えます。それを天の川と呼んでいます。

ちなみに、宇宙には銀河が2兆あると言われいます。とんでもないスケールですね。
地球上の砂粒を全て集めても星の数の方が多いというのも何となく分かります。

こちらは夏によく見られる天の川。「夏の天の川」と呼ばれ、天の川銀河の中心部分を見ています。

夏の天の川

一方、こちらは冬によく見られる天の川。「冬の天の川」と呼ばれていますが、天の川銀河の中心とは逆の外側です。
そのため夏の天の川に比べると非常に淡く、相当暗い夜空でないと肉眼で見る事は出来ません。

冬の天の川

こちらは全天写真です。天の川が見える夜空を360度見渡す事出来ます。実際どんな感じで見えるかイメージしやすいと思います。(下記の「Click to play」をクリックすれば閲覧可能です。)

夏の天の川

玉置神社 – Spherical Image – RICOH THETA

冬の天の川

大台ヶ原駐車場 – Spherical Image – RICOH THETA

天の川が見える時間の調べ方

天の川というと「七夕」しか見えないと思っている方も居ますが、一年中見る事が出来ます。ただし見える時間というのはあります。また見える時間は毎日少しずつ変わりますので一概にこの時間とは言えません。

調べ方は星座盤が手軽ですが、現在は色んなアプリで天の川の見える時間を詳細に調べる事が出来ます。
私はよく「ステラリウム」を使用しています。日、時間を指定するとその時に見える星空、星座、天の川をシミュレーションできます。無料のアプリです。

ステラリウム

アプリがあればそこまで必要ではないけれど、星座盤もあると割と便利。たまに使ってます。

一年間の「夏の天の川」の見え方を纏めた早見表(奈良県を基準)を作成しました。下記の記事より閲覧できます。

参考記事:夏の天の川はいつ見えるの?一年間の天の川の見え方と時間が分かる早見表を作りました

2022年の撮影候補日を纏めています

2022年撮影候補日
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

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天の川の探し方

実際に肉眼で見る天の川は写真で見るよりも薄っすらしており、雲の様に見えます。「写真のように見える!」と思っていると拍子抜けすると思います。とはいえ、夜空に広がる天の川を肉眼で見ると、そのスケール感に感動すると思います。

初めてだと、見えていてもそれが天の川と認識するのに少し時間が掛かるかも知れません。暗闇に目を慣らすと良く見えるようになるので10分くらいはスマホやライトなど、明るい光を見ずに星空を眺めていると徐々に見えて来ると思います。

探し方としては、まず「夏の大三角」「冬の大三角」を探すと分かり易いかも知れません。
三角の間を天の川が流れています。

夏の大三角。

夏の大三角

冬の大三角。有名なオリオン座の赤い星(ベテルギウス)、一際明るい星(シリウス)から構成されているので見つけやすいと思います。

冬の大三角

月の出入り、月齢に注意

太陽が沈むと必ず月が昇る・・・と思っている方も居ると思いますが、必ずしもそうではありません。
月が出ている時間や月齢(満月や新月)を事前に調べましょう。満月の数日前後は、月が出ているとほとんど星や天の川も見えません。(満月の日に「星空観測に来ました」という方に出会う事もたまにあります・・・)

新月の前後3日(月齢27,28,29,0、1,2,3)は月明かりの影響はほとんど無いので、星空観測には最適です。

月の出入り、月齢は国立天文台 各地のこよみにて地域別に調べる事が出来ます。

ちなみに、満月がどれほど明るいかというとこんな感じ。

満月 星空

この写真は奈良県でもトップレベルの星空が見える大台ヶ原山の山頂付近の深夜2時頃に撮影したものです。
月齢12なので満月の3日前ですが、それでも天の川はもちろん、星もほんの少ししか見えません。ライトが無くても歩ける程の明るさです。

※満月の夜はまた違った楽しさがあります。
参考記事:満月の大台ケ原は幻想的だった(正木峠・日出ヶ岳)【動画あり】

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光害の少ない場所を探す

天の川の光は非常に淡く、街明かりの影響を受けている場所では肉眼で見る事が出来ません。
まずは有名な星空観測スポットで観測するのが良いと思います。あと、実際の真っ暗な場所で星を見るのは結構怖いです。そういう事もあり有名なスポットは人が集まりやすくオススメです。

参考記事:一人での天体観測・星空撮影は恐怖との戦い。その対策は?

また、昔から有名な星空観測スポットでも都市開発の影響等で星空や天の川が見えづらくなっている可能性があります。夜空の暗さを確認できる光害マップ(LightPollution Map)というサイトがありますので、観測地を事前に確認しておくと良いかも知れません。だいたいValue 0.2程度の暗さであれば、十分綺麗な星空で天の川も見えると思います。(数値が低くても都市が近くにあったり、標高によっても見え方は大きく変わってくるので、あくまで目安です)

光害マップ(LightPollution Map)

夜空が開けている場所を探す

どんなに夜空が暗くても、周囲に高い木や建物があったりして夜空が見渡せないと意味がありません。有名な星空スポットは調べれば星空の撮影写真等もあるため大体分かりますが、あまり有名でない場所だとそういった写真が見つからない事も。そういう場合はグーグルマップ(ストリートビュー)を使えば空がどれくらい見えるかを事前に知ることが出来ます。その時、周囲に電灯等がないかも確認しておくと良いかも知れません。(いざ到着すると、電灯が多くて撮影も出来ない場合があったりします)

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当日の天気(雲)の調べ方

雲一つない、綺麗に晴れた夜が星空観測におすすめです。GPV気象予報で雲の動きを予測すると良いと思います。当日になると精度もかなり高くなりますので、出かける前に最終確認すると良いと思います。だいたい当たりますが、ハズレることもあります。

GPV気象予報

SCWやWINDYなんかもオススメ。

SCW
WINDY

PM2.5、黄砂に注意

PM2.5や黄砂にも注意が必要です。あまりに黄砂が酷いと星空も綺麗に見えなくなります。こちらも調べる事が出来ます。

気象庁 黄砂情報
日本気象協会 PM2.5分布予想

マナーを守りましょう

近隣住民の方に迷惑なるため、騒いだりせず、またゴミは持ち帰りましょう。マナー違反によって、立入禁止になる場合もあります。実際に有名な星空観測スポットのいくつかが立入禁止となっているケースもあります。
星空が見れる事への感謝の気持ちを忘れず、常識的な行動をとりましょう。

最後に

普段街中で暮らしていると街明かり(光害)の影響で天の川を見かける事はまずありません。天の川をまだ見たことない方にはぜひ肉眼で見て頂きたいなぁと思っています。記憶に残る経験になることは間違いありません。

昔に比べるとかなり星空が見え辛くなってきています。それでもまだ、この狭い日本でも町から外れたり山に登ると綺麗な星空を楽しむ事が出来ます。今後、星空の見え方がどのようになって行くかは分かりませんが、綺麗に星や天の川が見られる環境がいつまでも在り続けて欲しいですね。

2022年の撮影候補日を纏めています

2022年撮影候補日
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月