蛍を動画で撮影。カメラの設定・機材を紹介(SONY a7SIII)

蛍を動画で撮影。カメラの設定・機材を紹介(SONY a7SIII)

SONY a7SIIIで蛍の動画撮影をしていますが、撮影設定等について問い合わせが何件かありましたので、私が行っているカメラの設定や機材を、実際に撮影した動画を交えながら紹介したいと思います。
(本記事の内容はSONY a7SⅢを前提に記載しています)

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SONY a7SⅢによる蛍の動画撮影のカメラ設定と機材

実際に撮影した映像と共に、撮影設定を紹介します。

※紹介する動画は全てPP8(S-LOG3)で撮影し、編集ソフトでコントラストを軽く調整したのみ。ノイズ処理はしていません。

蛍の動画

まずはこちらの動画から。

カメラの設定と機材
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG HSM ART
シャッタースピード 1/25sec
絞り F1.4
ISO 32000

ノイズ処理はしていませんが、この程度のISO感度ならそんなにノイズ感はないです。また、蛍の光を写すだけならISO16000でも十分でしたが、背景をもう少し明るく写したかったのでISO32000に設定しました。

星空と蛍の動画

次は星空と一緒に撮影した動画です。

カメラの設定と機材
レンズ SONY FE24mm F1.4 GM
シャッタースピード 1/25sec
絞り F1.4
ISO 128000
ソフトフィルター(Kenkoプロソフトンクリア使用)

ISO感度をかなり上げたのでノイズ感も出てきましたが、星空もばっちり撮影出来ています。
天の川も薄っすら映っているのが見えるでしょうか。

開放F1.4で撮影している為、画面端の蛍の光でコマ収差により歪んでいます。
絞ればある程度は改善しますが、明るさも確保したいので悩ましい所です。

また、この動画ではソフトフィルターを使用しています。
蛍の光がボヤっと幻想的な雰囲気となり綺麗ですが、まぁ好みですね。

参考記事:プロソフトンクリアで星空撮影、控えめで自然な効果(レビュー)

今回撮影した場所はそこまで星空が綺麗ではなく、周辺もかなり明るい場所なのでこの設定で撮影していますが、もっと暗い場所では更に明るい設定が必要な場合もあります。

真っ暗な場所での蛍撮影

次は森の中、全く光が届かない場所で蛍を撮影した動画です。

0:00 ノイズ処理無し、  0:05 ノイズ処理有り(NeatVideo)

カメラの設定と機材
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG HSM ART
シャッタースピード 1/15sec
絞り F1.4
ISO 320000

あまりにも真っ暗な為、ISO320000を使用。SONY a7SⅢはISO409600まで使えますが、個人的にはISO320000が許容範囲の限界です。

それでも明るさが足りないため、シャッタースピードを1/15sec。コマ落ち感があるものの背景が認識出来る明るさにはなりました。

流石にISO320000だとノイズが凄いので、ノイズ処理前と後を動画内で比較しました。ノイズ処理に使用しているソフトは「NeatVideo」です。強力なノイズ処理でかなり見やすい映像になります。(ISO320000を使っていけるのも、このソフトのお陰かなぁと思っています)

参考記事:星空動画のノイズ処理にNeat Video v5 Proを試してみた(レビュー)

蛍の動画を比較明合成する

蛍の写真ではお馴染みの比較明合成ですが、動画でももちろん出来ます。

比較明合成無し、有りを比較した動画です。

0:00 比較明合成無し、  0:05 比較明合成有り、 0:10 もう一度、比較明合成無し

カメラの設定と機材

レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG HSM ART
シャッタースピード 1/25sec
絞り F1.4
ISO 32000

元の動画に対して2つほど重ねているので単純に3倍の蛍に。

この動画は開放F1.4で撮影している為、口径食が発生。玉ボケが綺麗な丸になっていません。絞ればある程度は改善しますが、やはり明るさを確保したいので悩ましい所です。動画としては別にこれでも良いかとは個人的に思いますが。(今回の例ではISOにまだ余裕があるので、ISO80000まで上げていくらか絞って撮影しても良かったかも知れませんね)

比較明合成の方法

比較明合成の方法はとても簡単。(編集ソフトはDavinciResolveStudio)

元の動画のクリップの上に、重ねたいクリップを配置。重ねたいクリップを選んだ状態でインスペクタの「ビデオ」→「合成」→「比較(明)」を選ぶ。

複数のクリップを重ねたい場合は、更にクリップの上に配置し、「比較(明)」を設定するだけです。

その他の設定

蛍の撮影では、蛍やその他の撮影者等に迷惑にならないよう、色々準備が必要です。

カメラ本体やリモコン、モバイルバッテリー等の付属機器もランプ類が発光するので、
カメラ側の設定でOFFにするか、パーマセルテープ等で物理的に発光部を塞ぎます。

また、カメラのモニターも結構明るいので撮影中はOFFにします。私はモニター/EVF切り替えでEVFを選択しモニターが表示されないようにしています。(基本的にEVFを覗きながら操作)

場合によってはカメラに暗幕を被せて撮影する時もあります。

後、気を付けたいのは蚊等の虫対策も。
蛍も虫なので虫よけスプレーはNG。肌の露出を避けるのが良いです。
(Tシャツ等、薄い生地だと効果ないことも・・・)
虫対策の衣類は色々あるので準備しておくとよいです。

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あとがき

私が行っているSONY a7SⅢでの蛍の動画撮影設定について書いてみました。

背景と蛍の光を別撮りして合成する方法もある様ですが割愛。真っ暗な場所では多少無理やり感がありますが、大体の場所でそのまま撮影出来そうな気がします。SONY a7SⅢは凄いカメラだ。

比較明合成の方法も紹介しましたが、表現としてはアリだと思いますが、私個人としては自然の姿をそのまま撮影したいので自分の動画では多分使いません。

ちなみに、蛍の撮影では85mmの中望遠レンズ(SIGMA 85mm F1.4 DG HSM ART)をよく使用しており、だいたいこれで満足しています。(50mmが一番使いやすそうですが、まともなレンズを持っておらず・・・70-200mm F2.8も画角的には使いやすいのですが、F2.8と暗いので最近は使っていません)

しかし、SIGMA 85mm F1.4 DG HSM ARTは一眼レフ用なので、とても大きくて重い・・・。

DSC_0190

ミラーレス用に設計されたSIGMA 85mm F1.4 DG DN ARTにいつか買い直したいです。コスパも良いですしね。

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