50mmレンズは標準レンズと言われており、広角でもなければ望遠でもないレンズです。
星空撮影には広角レンズが主流なイメージですが、50mmレンズもまた面白い写真が撮れます。
星景写真を撮るのに使うには少し使い辛く、使用出来るポイントもかなり限られていますが、バチっと決まった時は天の川を細かい部分まで描写し、強烈な存在感の天の川の写真が撮れる・・・と思っています。
この記事では私が星景写真の撮影に使っているCarl Zeiss(カールツアイス) Planar T*1.4/50 ZEで思う事を書きます。

スポンサードサーチ
Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZEを購入した理由
標準レンズと言われる50mmレンズを持っていませんでしたし、星空の撮影のために広角レンズから買い揃えて行ったので、50mmをカバーできるズームレンズなどもありませんでしたので、気になったのがキッカケです。
Carl Zeissの撒き餌レンズであり、お求めやすい価格ながらも、なかなか評判のこのレンズを是非使ってみたい!と思いました。
星空撮影は「使えたらいいな」程度に思いながら買ってみました。
このレンズの気に入っている3点
その1 星空撮影にも使える
その2 開放F1.4のソフトな描写
その3 コンパクトで軽く、持ち運びやすい
その1 星空撮影にも使える
このレンズの良い所は、星空の撮影にもある程度使える所です。
ただし、開放F1.4ではコマフレアが出過ぎて使えませんので、ある程度絞る必要があります(後述します)
50mmレンズで撮影すると、天の川はこんなにも大きく、エグく映ります。迫力満点です。



その2 開放F1.4のソフトな描写
開放F1.4で撮影した写真を紹介します。
何とも言えないノスタルジーな雰囲気が好きです。
柔らかい雰囲気になります。



木洩れ日から溢れる光を柔らかく写してくれます。

被写体との距離が近ければこんな感じに。
ピント面は薄く、フワっと溶けるようなボケで水彩画の様です。

花繋がりでこちらも紹介。F2.2まで絞ってボケを調整していますが、このレンズで撮影する、こういう水彩画の様な写真が好きです。

絞って撮影した場合の写真を紹介
絞って撮影した写真も紹介します。
開放ではフワっとした写真になりますが、絞ればまるで別のレンズかと思うほど、スッキリとした写真になります。
F2.8まで絞れば、程よい感じで撮影出来る印象です。



その3 コンパクトで軽く、持ち運びやすい
しっかりとした金属製で、高級感があります。
また、コンパクトで、質量は330g。軽いです。
バッグにさっと入れて持ち運べる点が気に入っています。
これが結構重要だと思っていまして、やっぱり重たいレンズ、大きなレンズは持っていくのが億劫になります。そんな時に、とりあえず持っていけるという点は、かなり良いのではと思います。
散歩がてらにカメラを持ち歩くのには、だいたいこのレンズを装着しています。

スポンサードサーチ
少し不満な点
今度は、逆に不満な点を上げて行きます。
その1 クセのあるボケ
その2 星空撮影では絞る必要がある
その1 クセのあるボケ
もちろん、このレンズの特徴であり、メリットでもデメリットでもあるのですが・・・ただ、なんかクセが強すぎるボケが出る時があります。
開放F1.4で撮影したものですが、なんかボケが好みの感じじゃない出方がする時もあります。
状況によっては、滑らかなボケ方じゃない時もあります。

こちらも開放F1.4で撮影したものですが、ボケが渦巻いています。ぐるぐるボケです。まぁ、狙って撮影するのならば良いですが、不意にでると「んん?」ってなります。

その2 星空撮影では絞る必要がある
折角開放F1.4があるのだから、星空の撮影には、この明るさを出来るだけ活かしたいと思うのですが、開放ですと四隅の方でなかなか酷いコマ収差が出ます。
鳥が羽ばたいてるのではありません、星です。
星がこんな風に映ってしまうのです。

こちらはF2.0まで絞りました。落ち着いては居ますが、まだまだ目立ちます。


F2.8まで絞ると、かなり改善されます。

気持ち的にはF2.8まで絞り撮影したいですが、 50mmのレンズでで星が流れて写らないシャッター速度は10秒なので、可能な限り明るく撮影したいところです。
ですので、私が使う場合は、F2.2くらいにしています。
F2.2ですと、アップにしなければ、そんなに目立ちません。
(上の項で紹介した星空の写真は、F2.2で撮影しているのでご確認下さい)
星へのピント合わせのコツ
星空撮影では、ライブモニターで星を拡大し、ピントを合わせます。
このレンズで合わせる場合は、絞りF2.2等に合わせて絞込みボタン(プレビューボタン)を押しながらピントを合わせると、合わせやすいです。
絞込みボタン(プレビューボタン)を押さない状態ですと、絞りの設定をF2.2にしていても、モニターに表示される結果は開放F1.4の為、コマ収差が出てしまいます。
ちなみに、無限遠はピントリングを回しきった所から少し戻した所にあります。

スポンサードサーチ
まとめ
開放F1.4の写真はフワっとした写真になりますが、F2.8付近まで絞ると、別のレンズの様な写りに変わります。 この変化は面白いです。
天の川を撮影するならば、広角レンズに比べると撮影場所が限られてきますが、50mmで撮影する天の川ならではの魅力があり、迫力満点に写す事が出来ます。
レンズ自体も小さく、軽いので、気軽に持ち運べるのも良いポイントです。
開放F1.4という明るさは、日差しの強い夏場などは、露出オーバーになり勝ちです。NDフィルターを装着することをオススメします。
このレンズはAF(オートフォーカス)がついておらず、MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせる必要があります。ピント面が薄い為、少々ピント合わせが難しいです。
カメラによってはフォーカシングスクリーンを交換すると、合わせやすくなります。私は、CANON EOS6Dを下記のスクリーンに交換しましたが、かなりピントが合わせやすくなりました。